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【支出を減らす】電気代高騰!原因と3つの対策 

電気代の高騰が続いています!オール電化のおうちでは、月10万を超えてしまったというニュースも見かけるようになりました。

お金の悩みから自由になるためには、「投資」「稼ぐ」だけでなく、「無駄な支出を減らす」ことも大事な1つの柱になります。

ここでは電気代について説明していますが、交際費や食費でも、同じように【分解して考える】癖をつけ、他に無駄にかけてしまっている「支出」も考えてみましょう。

そもそも電気ってどうやって作られるの?

東日本大震災をきっかけに「原発」というワードを聞くようになり、日本の電気は原子力発電で多く作られていると思っている方もいるかもしれませんが、実は日本の約80%の電気は「火力発電」で作られています。

火力発電

石油や石炭を燃やして蒸気をつくり、その勢いで羽根車を回し、電気がつくられます。

日本でおよそ80パーセントを占めるのが「火力発電」です。

原子力発電

核分裂を起こしてエネルギーを産み、発生した熱で蒸気をつくり、その勢いで羽根車を回し、電気がつくられます。

再生可能エネルギー

太陽の光を電気のエネルギーに変える「太陽光発電」

風の力で風車のような大きな羽車を回してつくる「風力発電」

マグマの熱エネルギーを利用してつくる「地力発電」

などがあります。

電気料金の内訳

まずは、毎月の電気料金がどんな内訳で構成されているのか知りましょう。
電気料金の内訳は「基本料金」+「電力量料金」+「燃料費調整額」+「再エネ賦課金」になります。

基本料金

電気の基本料金は、契約プランごとの「固定料金」で、電気をまったく使わなくてもかかる料金になります。携帯の基本料金と同じようなものです。

電気の基本料金には、「アンペア制」と「最低料金制」の2つの種類があります。

アンペア制
アンペア制の電気料金プランは
アンペア数ごとに基本料金単価が設定されていて、契約アンペア数が大きいほど基本料金が高くなります。

基本料金がアンペア制プランは、北海道・東北・東京・中部・北陸・九州エリアに多く見られます。

「A(アンペア)」は電流

電流を表す単位がアンペアです。一般的なファミリー向けでは40Aなど、アンペア容量が大きければ大きいほど一度にたくさんの電気を使える。(オール電化の場合最低でも60A必要といわれています。)

アンペア数(A)= 電化製品の消費電力(W)÷ 100V(日本の家庭電圧は100V)

最低料金制
最低料金制の電気料金プランは
1契約ごとに最低料金が定められており、最低料金で定められた使用電力量を超えた分が電力量料金として計算されます。

最低料金制プランは、関西・中国・四国・沖縄エリアに多く見られます。

電気の単位

「V(ボルト)」は電圧
電圧が高いほど多くの電気が流れ、日本の家庭用の電圧は100V。

「A(アンペア)」は電流
電流を表す単位がアンペアです。一般的なファミリー向けでは40Aなど、アンペア容量が大きければ大きいほど一度にたくさんの電気を使える。

「W(ワット)」は消費電力
消費電力とは「消費する電気の量」(電化製品の裏側にその家電の消費電力が〇〇Wと記載されたシールが貼られています。)

「Wh(ワットアワー)」は電気の使用量
電気の使用量を表す単位がワットアワーです。
使用電力量 = 消費電力(W)× 時間(h)

電力量料金

電気の電力量料金とは、実際に使った電力量に対して支払う料金です。

電力量料金単価の設定は電力会社によって異なり、使用電力量に応じて3段階に単価が設定されていたり、

季節や電気を使う時間帯ごとに異なる単価が設定されていたり、

時間帯や使用電力量にかかわらず一律の単価が設定されていたりとさまざまです。

燃料費調整額

日本は、ガスや原油など、エネルギー資源の大部分を海外から輸入しています。

世界的なエネルギー価格の変動や極端な円安・円高が起こったりすると、それにより輸入時の燃料価格が変動してしまいます。

燃料費調整制度とは、このような電力会社の経営努力などが影響しない部分でのエネルギー価格の変動を、できる限り迅速に利用料金に反映させる制度のこと。

燃料費調整額は、この燃料費調整制度に基づいて決められる燃料費のことです。

燃料価格が基準を上回れば負担料金プラスとなり、下回れば負担料金マイナスとなります。

料金は使用電力量に連動

再エネ賦課金

再エネ賦課金の正式名称は、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」。

再生可能エネルギー発電を促進させるために、電力会社が一定期間、一定の価格で再生可能エネルギーで発電された電気を買い取る制度があります。

買い取り金額を電力会社がすべて負担するのは難しいため、電気を使う消費者が一部負担する料金が再エネ賦課金です。

料金は使用電力量に連動

電気料金の内訳のまとめ

電気料金の内訳は「基本料金」+「電力量料金」+「燃料費調整額」+「再エネ賦課金」

  • 基本料金
    電気を使っても使わなくてもかかる料金
  • 電力量料金
    電気を使った分だけかかる料金
  • 燃料費調整額
    燃料価格の変動分のうち、消費者が負担する料金(マイナスの場合もある)
    使用電力量に連動
  • 再エネ賦課金
    電力会社が再生可能エネルギーを買い取りにかかった費用のうち、消費者が負担する料金
    使用電力量に連動

なぜ電気代が値上りしているのか

ここ1年で電気代が上がったというニュースをたくさん聞くようになり、実際に皆さんのおうちの請求額も上がっていると思います。

では、ここ数年の何が影響しているのでしょうか

電力供給不足

2011年の東日本大震災により、日本の原子力発電所を稼働を制限したことによる電力の供給力不足。

東日本大震災以降に廃炉が決定した原発は21基になります。

また、老朽化した火力発電所の休廃止による電力の供給力不足です。

2016年の電力自由化により大手電力会社が採算性の悪い発電所を維持するのが困難になり、老朽化した低効率の火力発電所の稼働が休廃止されるようになりました。

再エネ賦課金の値上げ

再生可能エネルギーで発電された電気を買い取る制度が始まった2012年度は0.22円/kWhだったが、2022年度の単価は3.45円/kWhである。

再エネ賦課金は、月々に使用した電力量に応じて負担額が決まるため、100kWの使用量であれば345円となる。

再生可能エネルギーの導入量増加に合わせて、電力会社が発電事業者から買い取る電力量も増加しているため、再エネ賦課金は年々値上がりを続けている

2032年は買い取る制度20年目になり、以降は買取単価の高い案件から固定価格での買い取りが終了していくため、再エネ賦課金のピークは2031年ごろとなるといわれています。

とういうことは当面、値上がりが続くということです。

燃料価格の高騰

ウクライナの戦争で、天然資源の供給量が急激に減り価格が高騰しています。
それに加えて、歴史的円安(円安は輸入に不利)によるコスト増が原因となっています。

ロシアはLNG(天然ガス)の輸出量で世界1位、原油や石炭も世界トップ3という資源大国です。

日本でもLNG(天然ガス)は8.2%、石炭は12.5%をロシアから輸入(2020年の統計)しており、海外から輸入される化石燃料に大きく依存しているため、世界情勢による燃料価格の高騰になっています。

「LNG(天然ガス)と石炭の価格」がなぜ「電気料金」に影響する?

日本の電力の76.3%は火力発電でまかなわれています

火力発電を燃料別でみると、LNG(天然ガス)と石炭の占める割合は「70%」

つまり、日本で電気を創る燃料の70%が値上がりしているため、電気料金への影響は大きいのです。

電気代を下げる対策

電気代の構成要素、各構成要素がなぜ上昇しているのかわかりました。
つぎは、ではどうしたら電気代を下げることができるかを考えます。

使用電力量を減らす

すぐに取り組める対策の1つが、あたり前ですが、電気使用量を少しでも減らすということです。節電を意識した行動です。

電気代が高い家電3つ

  1. 第1位 エアコン

    設定温度1度変更すると、消費電力が10%増えると言われています。弱モードにしておくと、設定温度に到達するまで常に同じ電力がかかってしまうため、運転モードを「弱」にするのではなく、「自動運転」にするのがおすすめです。エアコンは電源を入れたときが最も電気を使うため、こまめにスイッチを切ると逆に電気代が高くなってしまうこともあります。
    わたしは、部屋で「着る毛布」を購入しましたよ!
  2. 第2位 洗濯機

    洗濯機で最も電気代がかかるのは、備わっている「乾燥機能」です。
    浴室乾燥機も同じです。乾燥機能はママたちには便利でとても痛いですよね。
    わたしは、お日様に干すのが無理なときは、メリハリをつけて、自分のハッピーのためと割り切って使うようにしています!
  3. 第3位 食器洗い乾燥機

    食器洗い乾燥機で最も電気代がかかるのは「乾燥機能」です。

電力会社の乗り換え

携帯電話の料金見直しと同じで、入ったきり電気料金プランを見直していない場合は、確認してみてください。

各社の電気料金プランの内容は、細かく異なります。

電力の場合は、深低圧夜帯に電力量単価を安くしてもらえるプランがありますし、高圧や特別高圧の基本料金や電力量料金はプランによって変わります。

契約内容を見直による電力の引き下げは、簡単ですぐに電気料金を抑えられる方法です。

※キャンペーン時期は安いがその後、値上がりするものや、大手でない場合は新電力会社の倒産や撤退も相次いでいますので、そのあたりはきちんと調べて契約するようにしましょう。

「省エネ」家電への買い替え

電気代料金の大半を占めるエアコンは、使い続けると1年ごとに5%ずつ消費電力が増えるといわれていて、10年使うと50%消費電力が上がるといわれています。

いまはどんどん電化製品が省エネ性能が高くなっており、10年前のエアコンや冷蔵を使用している場合は、タイミングをみて買い替えもおすすめです。

エアコンは10年目を超えていたら、買い替えを検討するのが良さそうです。
LED照明の電気料金は、白熱電球に対して約8分の1で済みます。

まとめ

電気代の大きな高騰の原因は、「ウクライナの戦争で、天然資源の供給量が急激に減り価格が高騰」と「円安」のため、高騰は、まだ続きそうです。

ということは、電気代だけでなく、他の物資も同じように高騰が続くということです。

ここでは電気代について説明していますが、他の支出でも、同じように【分解して考える】癖をつけ、他に無駄にかけてしまっている「支出」も考える癖を持ちましょう。

「他の支出」もこの順番で考えてみると、エラーが出ている箇所が把握でき、解決策も出てくるはずです!

  1. 問題がどのように構成されているか
  2. その構成要素ひとつひとつの原因
  3. 構成要素ひとつひとつの解決策